書評
日本選手のメダルラッシュで大注目の平昌オリンピックもいよいよ閉会が近づき、その視線は今度、パラリンピックへ向かおうとしている。 視線の主は、一般視聴者だったり、スポーツ関係者だったり、アスリートの家族や友人だったりするわけだが、中には当然、…
昔から「いき」に対しては、「古い言葉だ」という印象を持ってきた。死語とは言わないまでも、半ば伝統めいた表現だと感じていた。当たり前だが、今でもそうである。だから、「いきだね」と言われても、あるいは「いき」な芸術に触れても、「まあそんなもん…
3つの、時代も作者も異なる論考が一冊に収められた本である。ベルクソン『笑い』、フロイト『不気味なもの』、そしてジリボン『不気味な笑い』。前2者は、もはや古典となっており。すでにいくつかの邦訳も出ている。ということで本書の眼目はやはり、ジリ…
著者のカイヨワ(1913-1978)はフランスうまれの人物である。 『遊びと人間』は、1958年に書かれた。以来、遊びについて考えるための大きな指針となっているようだ。 本書でカイヨワは、人間の遊びに明快な定義と区分を与えた。 いわく、遊びとは「自由で」「…
千葉雅也氏の話題の新著、『勉強の哲学 来たるべきバカのために』。「勉強」をめぐって、フランス現代思想などに支えられた深遠な考察が巡らされている。深いながらも水質は透明で、すぐに水底まで見通せる。読むだけならスラスラと読めるのだ。 この読みや…